2011年11月16日水曜日

コントロールから自分を守る










 愛し合う二人に訪れる危機はいろいろありますが、よく分からない間に進行している危機がコントロールです。ゲンキポリタンのライフスキル講座を受講している方ならよくご存知ですが、そうでない方にはコントロールって何と思う人もいるでしょう。広辞苑をには、「制御すること、統制、管理、調節」とありますが、ここで問題にするコントロールとは、「相手を自分のの思い通りに操る」コントロールです。

コントロールの元は「弱さ」にあり、その始まりは幼児期にあります。幼児は自分ひとりでは生きて行けない無力な存在です。しかし幼児なるに願望もあります。ところが大の大人と対等にわたりあって自分の願望を満たすスキルがありません。ほとんど親のいいなりですが、それでは自分の願望を満たすことができません。そこで泣き喚き親を屈服させようとします。その作戦がうまく行かないと知ると、手を変え悲しそうな態度で注意を引きます。やがて気がつくと親はいたたまれなくなり、こどもの願望を叶えようとします。

これを「ラケット」と言いますが、その作戦がうまくいくと、「このやり方は使えるぞ」と、繰り返し使うようになりますが、これが性格の一部として浸透すると、ネガティブな方法で相手を操作する習慣が身についたまま成長します。

さて、私たちは、ほとんどが不完全な存在で、それゆえ心に不安を抱えています。
自分の短所や欠点と向き合って生きているものです。短所や欠点を素直に受け止める人もいるし、否認するする人、克服する人もいます。

問題は否認する人の間で起こりやすくなります。

弱点を隠そうとして防御を強くすると、不健全な人間関係を育ててしまうことになりやすいものです。あるがままを認め合い、互いの欠点を受け入れ合って、自己責任を引き受けて、率直、誠実、対等な関係を育てることもできます。それは自分の判断と選択で決められることなのです。

結局は欠点を受け入れられるかそうでないかで>人間関係は決まるのです。コミュニケーションに苦手意識がある人は技術以前に、最初は勇気が必要だとしても、自分を飾らず、否定しないことが解決策なのです。自己否定感が強いとしても、それを自分に許しているのは他ならぬ自分なのです。

そうしない限り、欠点も含めたありのままの自分を大切にすることができるようになります。自分の短所が受け入れると世界は変わって見えるようになるのです。それができない場合には、より自分を隠すようになり、コントロールの土壌をより強く育んでしまうのです。

自分に否定感情を持つ自信のない人が、必ずコントロールの関係になるというわけではありませんが、危険度が高いという点で注意が必要なのです。先に説明した「ラケット」で分るように、コントロールは弱者の消極的な攻撃方法なのです。主にふくれる、すねる、プンプンするなど態度でコントロールしようとします。その動機がなんであれそこにある温かい関係も冷えさせてしまうのです。