2012年8月29日水曜日

人生の悲劇、喜劇



人生の悲劇とは、生きているうちから、その人聞の内側で死んでいく部分があるということだ。

フランスの神学者、アルベルト・シュヴァイツァー(Albert Schweitzer)の言葉です。
ヨーロッパの古き良き人文主義の伝統を引き継ぎながら、20世紀の社会が直面する問題を解決するための思想を編み出した人です。

忙しく過ぎていく日々の中で、会議や雑事に追われながらも、自分にとって大切なものを守り抜くにはどうすればよいのでしょうか。
その質問の前に自分にとって大切なものがなにか分かっていない人も多い。 考えるより先に行動しよう、顔を出していないとまずいから、とりあえず出席しておこう。ポジティブなイメージをふりまいておかないと信頼されなくなる。 そういう考えが私たちをすり減らし、自分らしさを失わせてはいないでしょうか。

男というものは、行動的でないと相手にされないと信じ込んで、中毒のように動き回っている。 そう思っていると、 子ども達の世界にも飛び火して、いじめ問題に影響を与えていることがあるかも知れないのです。

STOP!

外的な評価にこだわるのをやめてみるのが始まりになります。世界中、どこにいっても外的な評価で本当に幸福になれることはありません。自分が本当に大事にしていることはなにかを知った上で、大事にすることが大切なのです。

2012年8月25日土曜日

希望という自分との約束


新しいMac(PC)を購入することと、未知だったスキルを身につけるのでは、どちらが幸福感あるいはやる気は続くと思いますか?Linuxを開発したリーナス・トーバルズは古いモデルのPCでプログラムを完成させたと言います。

お酒を飲まないでおこう、タバコを吸わないでおこう、というように「しないでおこう」というネガティブな目標もあれば、山を登る体力を作ろう、旅行に必要な貯金をしょうと、いうように「ナニナニしょう」というポジティブな目標もあります。状況を変えようとする自分に付帯した受身の目標もあれば、行動を変えようという主体性を変える能動的な目標もあります。

どちらも後者の方がポジティブな目標で幸福に寄与します。前者はどちらもネガティブで消極的な目標なので、幸福にはつながりません。あるいは幸福感は継続しません。

自分の友達のひとり、ニュージーランドの女性はガンの宣告を受け余命1年と伝えられました。彼女は結婚していましたが、自身も夫も若く、子どももまだ幼児でした。夫の将来を考えると、忍びないと思い、夫を結婚前の状態に戻してあげたいと考えて、離婚を切り出しました。子どもも自分と実家が引き取ることを伝え、自分は残り少ない人生を以前から興味のあった日本で暮らしたいとNZを離れました。大阪の不動産会社に勤め、子どもと二人の生活を始めました。

やがて、彼女を心配して二人の弟と女友達が後を追うようにやってきました。こうして五人のなれない日本の生活が始まりました。やがて、彼女はドイツ人男性と恋に堕ちました。彼女は刹那的な恋と考えていましたが、男性は結婚も考えていました。一年が過ぎ、二年が過ぎ、彼女は元気になるばかり。癌は治っていたのです。二人は結婚して、弟たちはアフリカに行きました。弟たちはガス田を発掘し、ガス会社を創設、彼女も重役として名を連ねました。ドイツ人男性は仕事の都合で日本に残ったので長距離婚となりましたが、休暇には言葉をマスターするといいスペインに滞在する等、ポジティブで有意義な休暇を楽しんだりしていました。

自分は当時の彼女が皮膚がんになったので相談したことがあります。彼女は自分の経験を元に、励ましてくれました。彼女のようにいきませんでしたが、彼女が心底心配してケアしてくれたことに深く感謝しています。心の持ちようといっても、見せかけのポジティブではなく、本気でないと効果はないと思います。
余命1年と言われた主婦が、いまでは大金持ちです。彼女がしたことは、自分の心に忠実に暮らし、苦しい時も自分より自分の周りの人を優先して大切にしてきただけです。 

「最後の1年だから動き回るようなことはしないでおこう」ではなく「最後の1年を日本で暮らしたい」という自分をオープンにする。彼女のように自分の決断を信じて、身を捨てて、本気で本心を生きる勇気が道を開くのでしょう。

思い通りにいかない時に、少しでもより良く生きようとする感情。それが希望です。

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